モウコノウマ、家畜化されてたってよ
wikipedia モウコノウマ
和名の意味は「蒙古の馬」ではなく「蒙古野馬」。
モンゴルや新疆ウイグル自治区に分布するウマ科の動物で、長らく「地球上に現存する、唯一の野生馬」とされていた。
ところがAFP通信によると、遺伝子解析によって、その定説がひっくり返ってしまったらしい。
野生馬、地球上からすでに絶滅していた DNA分析で判明
分析の結果、モウコノウマは純粋な野生馬ではなく、5500年前にカザフスタンのボタイで飼育されていた家畜馬の子孫が人の手を離れ、再野生化したものだと言うのである。
従来の説でモウコノウマは
「現代の家畜馬との共通の祖先から分かれ、一度も家畜化された事のない、純粋な野生馬」
とされていた。
今回の説でモウコノウマは
「現代の家畜馬とは別系統の家畜化された馬が、人間の手を離れて再野生化したもの」
とされた。
今回の論文の共同執筆者で米カンザス大学・生物多様性研究所・自然史博物館考古学部門の学芸員のサンドラ・オルセン氏は「結果は、生きている野生馬が地球上に存在しないことを意味している。これは悲しむべき部分だ」と語ったとの事。
ただ、いち動物好きである自分の勝手な意見としては、モウコノウマはいかにもワイルドな見た目と茶黒のカラーリングがとてもよく、依然として好きな動物だ。
1968年頃には人間の影響で野生下では一度絶滅してしまったが、保護と再導入で、現在も草原を元気に駆け回っている。
家畜化されきったサラブレッドと違って、野生で生きていくための力を十分に持っている、魅力的な生き物なのだ。
5500年前の家畜化 →
自由への逃亡 →
ロシアの探検家、プルツェワルスキー大佐による発見 →
野生での絶滅 →
動物園で飼育された個体による、野生への再導入 →
唯一の野生馬としての注目 →
遺伝子分析による家畜化の判明 ← 今ここ
という、現在に至るまでの平坦でない道のり自体がドラマティックで、とても興味深い。
おまけ
日本の動物園では、多摩動物公園でモウコノウマを見る事ができる。引用:
AFP通信「野生馬、地球上からすでに絶滅していた DNA分析で判明」
wikipedia:モウコノウマ