ZEN展 ~すごいボリュームのアートのグループ展に行ってきました!
2022年の6月15日~6月22日に東京・上野の東京都美術館で開催された「公募ZEN展」という、アートのグループ展に行ってきました。
作品点数が約700点、参加された作家さんの人数は約600人という、途方もない規模のグループ展で、とんでもなく見応えのあるグループ展でした!
目次
ZEN展とは
ZEN展は絵画・書・工芸・イラスト・写真・パフォーマンス等、あらゆる分野のアートを展示する芸術団体で、定期的にグループ展を開催しています。ZEN展の公式Instagramによると、
毎年自由参加、一般公募で運営
展示には審査をせずお客様の投票のみで入賞を決定
との事で、一般公募=有志のアーティストさんによる展示である事、審査員ではなく来場者の投票で入賞作品を決定するというのが、展としてのポリシーなんですね。
作品点数が約700点という事で、この記事では到底全てはご紹介し切れないのですが、自分の中で印象的だった作品や作家さんについてご紹介できればと思います。
ZEN展のInstagram
ZEN展のツイッター
susumuさん
ZEN展を知るきっかけになったのは、友人でありイラストレーターのsusumuさんでした。
すすむさんは自然をテーマにしたイラストを多数発表されていて、ご自身のイラストをプリントしたTシャツやステッカーを販売中のオンラインストア「MEGA GHOST」も運営されています。
すすむさんの公式Instagramでは、自然をテーマにした魅力的なイラストを多数見ることができます。
こちらが、すすむさんが今回展示された2枚の作品の内のひとつ「小惑星」です。
「小惑星」の背景にある物語。
すすむさんは、配信されているポッドキャスト「ススムアート」でも、ご自身のイラストの背景にある物語についてお話されています。
すすむさんは、それぞれの作品について、ご自身の中で緻密なストーリーを持っており、その物語はススムアートや、Instagramの概要欄で楽しむ事ができます。
すすむさんは「それはあくまで僕の考えるストーリーなので、それとは関係無く、作品を見てくれる方それぞれが自由に物語を想像して楽しんでもらえたら」とも言われていました。
1つの作品で、絵そのものはもちろん、すすむさんの物語、そして作品を見る方がそれぞれ自分で物語を想像して楽しむ。
1枚の絵で何重にも楽しめる構造になっているんですね。
すすむさんの作品は着想の面白さや描き込みによって、見る人の想像力をかき立ててくれます。
こちらは「SAVE THE OCEAN.」と題された作品です。
ペットボトルの中に閉じ込められたクジラの絵に「この絵を見た人達に、少しでも海洋ゴミへの意識が向く事を願って。」との、すすむさんの想いが込められています。
地球最大の生物であるクジラが、海洋ゴミの象徴であるペットボトルに圧迫されている。
見た目には巨大な生物であるクジラも、海洋ゴミや、それの根源である人間の活動に圧迫されているし、もっとか弱い生き物は、より圧迫されている。
この作品を見た事が、そんな事を感じるきっかけになりました。
susumuさんのInstagram
https://instagram.com/susumu.nakajima
susumuさんのネットショップ
https://megaghost.stores.jp/
susumuさんの生き物ツイッター
https://twitter.com/susumunature/
にとらかぼちゃさん
ZEN展の会場では、すすむさんがご案内をして下さったのですが、にとらかぼちゃさんという作家さんをご紹介していただきました。会場でにとらかぼちゃさんの絵を撮影し忘れてしまったため、Instagramよりシェアさせていただきました。
にとらかぼちゃさんは線画をボールペン、彩色には水彩色鉛筆を用いて作品を制作されており、優しく心地よい色彩の、ファンタジックな作風の作家さんです。
巨大な木や機械や生き物が混然一体になった世界を、心地よい色彩で描かれていて、その世界観に引き込まれました!!
にとらかぼちゃさんのツイッター
にとらかぼちゃさんのInstagram
にとらかぼちゃさんのホームページ
SHINさん
造形作家のSHINさんという作家さんも、会場でsusumuさんにご紹介していただきました。
今にも動き出しそうな躍動感あふれる鵺(ぬえ)の立体造形、圧巻です。
疫病退散の御利益があるとされる妖怪「アマビエ」の解釈も、とても斬新でした!
こちらのアマビエの体色は、海水魚のシイラを参考にされたそうです。
SHINさんのツイッター
SHINさんのInstagram
つくしさん
色鉛筆による、色調豊かな作品を発表されている、つくしさん。
ちょっと信じられないんですが、つくしさんはなんと「4色」の色鉛筆で、作品を制作されているのだそうです。
上の作品も、4色の色鉛筆によるものです。
その、たった4色の色鉛筆を重ね塗りする事で多様な色彩を表現しているんですね。
ものすごい技術だと思います。
しかも、4色しか使わない理由は「たくさんあると選ぶのが大変だから」とか。
そういうものなんですね…。
作品自体の印象もとても素敵ですし、4色の色鉛筆で描いているという事実も衝撃的で、とても印象に残る作家さんでした。
つくしさんのツイッター
つくしさんのInstagram
おーさかまいさん
柔らかい色彩で描かれた、おーさかまいさんの作品。
画材はクレヨンでしょうか?
優しくあたたかい色彩が、とてもツボでした。
小山田みつ枝さん
クラフトバンドという、牛乳パックや古紙を再生した手芸用の紙ひもで制作をされている、小山田みつ枝さん。
こちらの作品「大切なもの」は、形も色合いも面白く、長時間見入ってしまいました。
小山田みつ枝さんのInstagram
Kuroiさん
エビフライとアスパラガスをかき鳴らす「ロックキャット」2部作を描かれたKuroiさん。
なんともゆるいラインと、とぼけた表情がかわいいですね。
鼻が描かれていない事で、よりゆるさが増幅されており、思わず口元がほころんでしまいました。
riripoca☆satoa.さん
生き物に、歯車やメカ的な意匠を組み合わせたイラストを描かれるriripoca☆satoa.さん。
確立した世界観と、完成度の高さを感じました!
riripoca☆satoa.さんのツイッター
象榮さん
今回のZEN展が開催されている東京都美術館の近くには上野動物園がありますが、そこでも飼育されているハシビロコウがにらみを利かせています。
このハシビロコウ、友禅という伝統的な技法で制作されており、質感も含めてとても素敵でした!
ZEN展 まとめ
これほど大きな規模のグループ展というのは今までに行った事が無く、とても良い刺激をもらう事ができました。想像もつかないような世界観や色彩、発想の作品とたくさん出会えて、本当に楽しかったです!
今回、ZEN展を知るきっかけでもあり、会場をご案内してくれたすすむさんとは、元々僕のポッドキャスト「セミラジオ」を聴いていただいて、お便りを送っていただいた事から、メッセージをやり取りさせていただくようになりました。
さらに元を辿ると、ポッドキャスト番組の「生物をざっくり紹介するラジオ ~ぶつざく~」に僕がお便りを送ったところ、それをぶつざくの番組内でご紹介いただけて、ぶつざくを聴いていたすすむさんにセミラジオを見つけてもらえた。という流れがありました。
ポッドキャストがつないだ不思議なご縁と言いますか、本当にすすむさんにも、ぶつざくの皆さんにも大感謝です!!
ZEN展、今回の展示は終了しましたが、本当に見所たくさんのグループ展で、きっとお気に入りの作品に出会えると思います。
今後の展示も、ぜひチェックしてみてくださいね!!
ZEN展のInstagram
ZEN展のツイッター