大草原の小さな天使 ブッシュベイビー・衝撃の最終回
Dアニメストア(docomoの運営するアニメ配信サービス)で「世界名作劇場」シリーズを見るのが好きなセミブログ管理人夫妻。
その時は、「大草原の小さな天使 ブッシュベイビー」の最終話を見ていた。
ブッシュベイビーを鑑賞するサイト管理人夫妻。
「大草原の小さな天使 ブッシュベイビー」
「世界名作劇場」シリーズの第18作。
名作シリーズの中でもアフリカを舞台とした唯一の作品で、1992年1月~12月にかけて放送。
全40話。
前期オープニング曲の「APOLLO」は名曲。
この曲を聴いた事が、2000年代になってから「ブッシュベイビー」を初め、
世界名作シリーズに触れるきっかけになった。
最終話までのあらすじ
舞台は1960年代初頭のケニア。イギリスの野生動物保護官を父に持つ少女ジャッキーは、母親を亡くしたブッシュベイビー(アフリカに生息するサルの一種)を「マーフィー」と名付け、育てる事になった。
イギリスからケニアが独立し、ジャッキーの一家もマーフィーを連れて帰国する事になったが、出立の直前に、マーフィーを国外に連れ出すための許可証が無い事に気づく。
マーフィーを野生に帰そうと決意したジャッキーだが、トラブルに巻き込まれ、イギリス行きの船に乗り遅れてしまう。
父の部下であるカンバ族の戦士・テンボの力を借りながら、マーフィーを生息地に戻し、自分の家族と再会するため、広大なアフリカ大陸を旅する事になったジャッキー。
旅の末に辿り着いたヌディの駅で、駅長の助けを借り、自分の所在と安否を電話で知らせる事が出来たが、大雨による洪水で、線路が押し流されてしまっていた。
このままでは、大勢の乗客を乗せた列車が突っ込み、大惨事になってしまう!
なんとか向こう岸に決壊の事を伝えようとするジャッキーは、分断された線路の対岸に、父と兄の姿を見つける…。
向こう岸との唯一の接点は、不安定に揺れる鉄パイプ。
鉄パイプを伝って向こう岸に渡ろうとしたジャッキーだったが、大嵐の中、不安定なパイプを進む事は不可能だった。
そこで体が小さく身軽なマーフィーに手紙を託し、向こう岸に届ける事に成功。
さらに、列車に決壊を知らせるための発煙筒にロープを結び付け、マーフィーに運ばせる事に。
発煙筒を向こう岸に届ける事が出来れば、電車に合図して大惨事を回避する事が出来る。
運命は、マーフィーに託された。
ここまでが、最終話手前(39話)までのあらすじ。
ここまでの観た時点での感想は、
人間ドラマの中で、存在感を発揮できない場面も少なからずあったマーフィーに、最後の最後で大きな役目が回ってきたか!
というようなものだった。
しかし、最終話。
予想外の展開が訪れる。
物語はそれまで築かれていた筈の枠組みを大きく逸脱し、
斜め上の方向に暴走する事になる。
最終話「マーフィーのさようなら」
マーフィーに届けさせようとした発煙筒は、パイプの途中で引っかかり、止まっていた。
発煙筒を使えなければ、決壊を電車に知らせる事も出来ず、
破局を回避する事が出来ない。
そんな中、始まった登場人物達の会話に
「これは雲行きがおかしいぞ…」と僕は思い始めた。
兄「あぁ・・・マーフィー! お前に人の言葉が分かったらなぁ」
マーフィー「キッ?」
兄「ほら! 途中で荷物が引っかかってるんだ!」
兄「お前が行って外してくれるといいんだけどなぁ…!」
マーフィー「キ~?」
兄「あぁ…分かるはずがないかぁ!」
駅長「もう一度、あのブッシュベイビーが使えませんか!?」
ジャッキー・テンボ「えっ!?」
ジャッキー「いくらなんでも無理よ! マーフィーに引っかかってるもの外せって言ったって分かるはずがないもの!」
駅長「しかし! 何とかしないともう時間が!」
ジャッキー「お願いマーフィー! 荷物が引っかかってるの! 何とかしてちょうだい!」
何とかしちゃったらまずいだろ!
マーフィーはブッシュベイビー、別名ガラゴ。
サルの中でも最も原始的とされる「原猿」に属するグループ。
知能はさほど高くない。
高い知能を持つチンパンジーでも難しいであろうミッションを、原猿風情にこなせる筈がない。
それをやってしまったら、作品世界から現実感が失われ、崩壊してしまうじゃないか!
おいおい!袋見てるよ!
どうするんだマーフィー?
やってしまうのか?
「おれは原猿をやめるぞ! ジャッキーッ!」
ってなっちゃうのか???
マーフィーが原猿をやめ、物語が崩壊するかと思われたその時、
洪水で大きく鉄パイプがかしぎ、引っかかっていた袋が「とれた」
そして流れるジャッキーのモノローグ。
「パイプの継ぎ目に引っかかった袋が外れた理由は誰にも分かりません。
父や兄はパイプを駆け抜けるマーフィーが偶然蹴飛ばしたためだろうと言っています。
本当はそうかも知れません。
でも、私は…」
袋は偶然外れたのか?それともマーフィーが?
あえてグレーにする事でギリギリの所で、物語の破綻を回避したんだ。
制作スタッフが踏みとどまってくれてよかった。
いやあ、スリリングな最終回だなあ・・・。
その後、一行は発煙筒を使って電車を止める事に成功。
最悪の事態は回避され、物語は収束へ向かう。
ジャッキーは友人らと共に、ブッシュベイビーの生息地へ。
マーフィーとの別れの時が訪れる。
別れ際、こちらを振り返るマーフィー。
「さよなら!」(セリフ)
マーフィーに人の言葉が分かる=深い絆で主人公と結ばれているという図式で感動を演出したかったのだと思うけど、
最終話以外で「マーフィーは原猿のレベルを超えて深く人と相互理解してるのかも!」
という伏線が一切張られていないので、完全にとってつけた感じになっちゃっていました。
原猿の知能を逸脱するとかいうレベルを超えて、人の言葉喋っちゃってました。
40話見てきてオチがこれか…という脱力感を、どうすればいいのか、
完全に途方に暮れた事をよく覚えています。
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