インコの謎(細川博昭) 感想
最近ネットでフランク・シナトラの曲がかかると速攻で停止させるオウムの動画を見たです
間違いなく確信犯だ!頭いいよね
敵に回したくないです…
最近読んだ「インコの謎」にも、天才オウムの話があったよ。
インコの謎 言語学習能力、フルカラーの視覚、二足歩行、種族を超えた人間との類似点が多いわけ
表紙の「恐竜の最終進化形がインコ!?」という煽り文に興味をそそられて、購入したこの本。文字が大きめで文章は明快、とても読みやすい本でした。
「恐竜の最終進化形」という言葉の意図は、
・鳥が恐竜の子孫であること
・オウム目と近い系統のスズメ目、ハヤブサ目は鳥の仲間としては比較的新しく表れたグループで、彼らはさえずりや言葉を操る能力に長けていた。
・圧倒的な知性
などなどの、インコ・オウムの仲間が持つ能力を指しているものです。
インコとオウムの違い
大きいのがオウム、小さいのをインコを呼ぶのだと思っていたんですが、頭の冠羽(飾り羽)の有無で区別できるのだそうです。また、体色はインコの方がカラフルでオウムは地味。青や緑の色素は、インコにしか存在しないのだそうです。
フルカラーの視覚
鳥は4種類の錐体細胞を持っていて、青・赤・緑の他に、紫外線も感知する事が出来るそうです。対して、人間は祖先が夜行性の小さな哺乳類だった頃にフルカラーの視覚を失い(緑と青の錐体細胞のみに退化)、その後、樹上を住みかとする霊長類に進化した段階で果実の色などを見分ける必要性が生じ、緑の錐体細胞を赤+緑を識別するために利用するという荒業を使う事で、フルカラーの視覚を取り戻しました。
しかしその力業の結果、鳥の視覚に比べて狭い波長しか感じ取れないのだそうです。
鳥の視覚に比べると不十分という事ではありますが、一度失ったものを再度獲得するというのは自然界では珍しく、鳥の視覚も人間(類人猿も同様)の視覚も、どちらもすごい事だなと感じます。
アレックスという天才ヨウム
この「インコの謎」で特に印象的だったのが、米国の心理学者アイリーン・ペッパーバーグ博士の下にいた、天才ヨウム「アレックス」についてです。アレックスは「四角い」「赤い」などの概念を理解し、「赤い紙」など、言葉を組み合わせて使う事が出来ました。
言葉の組み合わせる能力は、既存の言葉に留まりませんでした。アレックスがリンゴを指して「バナリー」と言った事がありました。
「バナナのように甘く、チェリーのように赤い果物だよ」という意味の、アレックスの造語でした。
数も数える事ができ、「テーブルの上にある赤いキューブはいくつ?」と尋ねると「5つ」と答える事ができ、さらに、あるときテーブルの上に無いものについて聞くと「ナン(none)」と答えました。
「ゼロの概念」を理解していたんですね。
バナリー、食べたいです。ジュルリ…
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