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プリンターの印刷が遅すぎる時の解決方法

2022年1月16日

会社で使っているプリンター(ブラザー社の複合機・MFC-J6580CDW)が、ちょいちょい動作不良を起こすので、その度に対処に追われています。

以前、気温が低すぎて動かなくなったんですが、今回は別のトラブルが発生しました。

有給消化でまとまった休みをとっている間、他のスタッフが事務所の模様替えを行ってくれていたんですが、その際にネットワークが一時的に不調になりました。
その後、ネットワークは復旧したんですが、どうもその頃からプリンターの動きがおかしくなってしまったようでした。

プリンターの印刷が異様に遅い

何がおかしいかと言うと、いつもは何十枚もの書類をストレスなく、キビキビと印刷してくれるプリンターの印刷速度が、体感で30分の1くらいの遅さになってしまったのです。

そのプリンターは社内のネットワークに繋がっているので、色んなスタッフが自分のPCから印刷をかけるんですが、ある人が印刷をかけた書類が、数十分後になってようやく印刷完了するような事もありました。

確実に、何か異常が起きているのですが、すぐにはその原因をつかむ事が出来ず、捜査は難航しました。

仮説1:低温にさらされすぎて、内部の部品が故障した

今年の冬は会社の室温があまりにも低いため、度々、プリンターが利用不能になっていました。
その場合は室温が上がればプリンターは利用可能になるんですが、度重なる冷却が部品にダメージを与え、故障に繋がったのではないか?という推定です。

しかし、遅くなったプリンターは「印刷データの読み込みには異常に時間がかかるけど、読み込みが終わった瞬間に猛烈なスピードで印刷を終わらせる」という動きをしていました。
つまりハードウェア面では、高速で印刷する能力を失っていないため、部品の故障という可能性は低いように思えました。

仮説2:ネットワークの不調

次に、プリンターは社内のネットワークに繋いでいるため、ネットワークに何らかの不調がある場合、プリンターも影響を受けるのではないか?という仮説を立てました。

ただ、ネットワーク経由でない印刷(単なるコピー)の場合も印刷が遅いため、これも考えづらいように思えました。

しかし、部品の故障の場合はメーカー修理しか手段がありませんが、ネットワークの不調であれば、社内エンジニアである僕の領域になります。

何はともあれ実証のため、社内ネットワークのリセットを行う事にしました。

社内に残った3人の男たち

社内ネットワークをリセットする場合、一時的にネットが使えなくなるため、定時を過ぎてから行動を開始しました。

その時点で会社には、僕、同じ部署のKさん、別部署のMさんが残っていました。

同じ部署のKさんに、プリンターの動作改善のためにネットワークをリセットしたい事を告げると、

Kさん
Kさん
ありがとう蝉山くん!
俺もここにいて、蝉山くんの作業を見守っているよ!


蝉山
蝉山
見守ってくれるんですか…ありがとうございます!

プリンターが遅いとみんなが困りますからね。
おそらく、これで解決すると思いますよ!
という事で、Kさんが見守ってくれる中、作業を開始しました。

黙々とネットワークのリセット&復旧作業を進めていると、Mさんがひょっこり現れました。

Mさん
Mさん
お疲れ様で~す。お先に上がりますよー。

…おや? 何か作業してるんですか?


状況を説明すると、Mさんは納得し、そのままKさんと雑談を始めました。


「Kさん・・・もはや、見守ってくれてすらいないじゃないですか・・・」
と思いましたが、淡々と作業するのみです。


暖房がガンガンに効いた部屋で、ちょっとのぼせていたのと、ネットワークの設定にも微妙に時間がかかって、脳みそを振り絞りながら作業したので、自作「プルトニウムムーミン」さながら「体が熱い!」という感じになっていましたね。


そうこうしている内に、ネットワークのリセット&復旧も完了。

期待を込めてプリンターを使ってみると・・・





遅い!!!!!!!


めちゃくちゃ遅い!!!!!!!!


作業前と何一つ変わってない!!!!!!!!



さんざん作業して分かった事は「ネットワークの不調が原因ではない」という事でした。

だとすると・・・何が原因なのでしょうか?


状況がさらに悪化する

ネットワークが原因ではない・・・つまり外的要因ではなく、プリンターそのものに、印刷が遅くなった理由はあるようです。


僕とKさんの2人でプリンターの各部を色々とチェックし、Mさんはその様子を手持ちぶさたに見ていました。

本体カバーを開けて中を見たり、再起動をかけてみたり、インクノズルのクリーニングをしてみたりと、考え得るあらゆるメンテナンスを行いましたが、状況は変わらず。


改善しないだけならまだしも、恐るべき事に、状況はさらに悪化していったのです。

色々やっている内に「紙詰まりです。紙を取り出してください」というエラーが表示されたのですが、どこを見ても、その詰まった紙というのが見つけられないのです。


無視して印刷しようにも、そのエラーをキャンセルして印刷を続行する事は許されていないようでした。


なので、プリンターの言う「詰まった紙」を取り除く必要があるんですが、その紙がどこをどう探しても見つかりません。

「屏風の虎を捕まえるので、虎を屏風から追い出してください」と言われているような気分でした。




何なんだ? この状況?

ネットワークのリセットと復旧かけて、プリンター本体もさんざんチェックして再起動してクリーニングして・・・

結果、印刷も何もできない、ただの巨大な箱になったのか???


Mさんの起こした奇跡

完全に詰んだと思われた瞬間、それまで静かに作業を見守っていたMさんが、じっ・・・と目を凝らしている事に気づきました。


そしておもむろに手を伸ばし・・・

プリンターの内部から、インクまみれの小さな紙片をつまみ上げたのでした。

その瞬間、プリンターの液晶に出ていた「紙詰まりです。紙を取り出してください」のエラーが・・・消えたのです!!


そして印刷をかけてみると、プリンターは何事も無かったかのように、高速で印刷を完了させたではありませんか!!


Mさんが立っていた位置以外からは死角になっていた紙片を取り除く事で、いっぺんに全てが解決したのでした。

事務所が歓声に包まれたのは、言うまでもありません。


非常に考えにくい事なのですが、プリンターの動きが遅かった直接的な原因も、その紙片が詰まっていた事が原因だったようです。

最初から「紙詰まり」のエラーが表示されていれば、ネットワークのリセット作業をする前に気づけたと思います。

しかし、元々紙片が詰まっていたのが「紙詰まり」エラーをギリギリ出さず、なおかつプリンターのスムーズな動きを阻害する、絶妙な場所であったことから、大変な遠回りをする事になってしまいました。




蝉山
蝉山
Mさん・・・今日一番のいい仕事でしたね!


Mさん
Mさん
ほんとですかw ありがとうございます!!
今日は一日ずっと会議で・・・やっと輝けましたよ!


蝉山
蝉山
結局、ネットワークは関係なかったですね・・・
お役に立てずすみませんでした。


Kさん
Kさん
いや、みんなのために蝉山くんが動いてくれたから、解決できたんだよ。
俺たちはそれに乗っかっただけさ。


蝉山
蝉山
ありがとうございます!
そう、この3人だから解決できたんですね!




はたから見ている人がいたのなら、限りなく素っ頓狂な3人だったかもしれませんが、
みんなの力を合わせる事で、1つの問題解決に至ったこの夜の事を、僕はいつまでも覚えていたいと思います。
この記事を書いた人
せみやま せみやま
生き物が大好きなWebエンジニアです。
身近な自然を楽しみながら暮らしています。

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