ツクツクボウシの初撮影に成功!
せみやまと名乗ってはいますが、あらゆるセミに精通している訳ではなく、身近で観察しているセミはアブラゼミくらいのものです。
ツクツクボウシに関しては、声は何度も聴いた事はあるものの、図鑑で見た事しかありませんでした。
「オーシンツクツク、オーシンツクツク… ウィーオー、ウィーオー、ウィーオー、ウィー…………」
という、リズミカルで特徴的な声で鳴くセミです。
ツクツクボウシは少し涼しい環境で遭遇する事が多いのですが、体色が地味で樹皮に対する擬態色になっている上に警戒心が強く、観察したり撮影する事は、ほとんどあきらめていました。
しかし今回、自宅の庭先で鳴いているのを妻のバク子が気づいてくれて、今日こそじっくり観察するべく、逃げられないよう窓越しに双眼鏡で探索を始めました。
はやる気持ちを抑えつつ、ツクツクボウシがいると思われる木のあらゆる箇所をしらみつぶしに双眼鏡で見ていくのですが、一向にツクツクボウシの姿を捉える事ができません。
逃げられる事を防ぐため、なるべく近づきたくはなかったのですが、このままでは埒があかないので、玄関からそっと体を滑らせるように近づき、改めて双眼鏡を向けると…
ニワウルシの幹に、ほっそりしたセミの姿が。
いました!ツクツクボウシです!
本物を自分の目で観察したのは初めてです…。
体色は渋い緑と茶色で、森の中では完全に木陰に溶け込み、発見するのは至難の業です。
明るい時間帯に開けた場所いてくれて、しかもそれが自宅の玄関先…という好条件が揃って、やっとの事で撮影する事ができました。
アブラゼミやミンミンゼミと比べて体つきがほっそりしており、スタイリッシュに感じます。
まだ一度しか見ていませんが、これからはツクツクボウシの鳴き声を聴くたびに、この控えめながら美しい体色のセミの姿をはっきりイメージする事ができそうです。