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新型コロナで再注目「コンテイジョン」を観た(ネタバレあり)

2020年10月24日

NetflixやAmazon Prime Videoで配信中のパンデミック・サスペンス映画「コンテイジョン」。

2020年4月現在、世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルスを取り巻く状況との共通点が多く「予言」映画とすら評されています。

今の状況下で観るのは精神的にきついところもありますが、逆に今、コロナの存在しない平和な日常描写のある作品を観るのもきついと感じる事があります。

何か問題が起きた時に、現実を直視し続ける事に耐え切れなくて、近い性質のフィクションに触れたくなる、という事もあると思います。

そうした心理のためなのか、今、この「コンテイジョン」を初めとして、パンデミック映画の再生数が増えているそうです。

僕自身も外出自粛で時間もあるので、この機会に観てみる事にしました。


中国発のウイルス、人の手が触れた物から感染、都市封鎖、無人の街… 今観ると「既視感」を覚える内容

香港に出張していた女性がアメリカに帰国したのを皮切りに、アメリカ全土を感染力・致死性の高いウイルスが襲います。
ウイルスは手すりや書類など、人の手が触れた媒介物から、次々に感染を広げていきます。
何の気なしに触った手すりや、親しい人との触れ合い、せき込んだ時の飛沫によって爆発的にウイルスが広がっていく様子は、新型コロナともろに重なります。

この作品に登場する「MEV-1」ウイルスと新型コロナウイルスの感染経路は非常によく似ています。
これは、2002~2003年に大流行したSARSを参考にしたのだと思います。
SARSも、基本的な感染経路は新型コロナウイルスと同じ、飛沫・接触・媒介物による感染経路を持つからです。

「コンテイジョン」はコロンビア大学の感染症センターに勤めるイアン・リプキン医師を監修に招いています。
感染症の専門家と共同で「起こりうるシナリオ」を練り上げた結果、「予言」と言われるほど、恐ろしいまでにコロナ問題と共通点の多い映画になったのだと思います。

このイアン・リプキン医師も、新型コロナウイルスに感染し「私に感染するくらいなら、誰にでも感染するでしょう」と語っているそうです。

その他、感染拡大を防ぐために封鎖される州境や無人の街など、ぞっとするほど今の現実とリンクしています。

ネット上で影響力を持つブロガーが、治療法に関するフェイクニュースを流して利益を上げるなど、色んなレベルで現実と重なる描写がされています。

映画的に盛り上がる展開も

「コンテイジョン」の作品内では、アメリカが世界に先んじてワクチンを開発します。
感染経路を調べるために香港入りした女性医師が、ワクチンを優先的に入手するための人質にとられる…という場面があります。
人質にとった香港の青年は、自分の故郷の村で感染が発生し、母を失っています。その村の子供たちを救うために、切実な想いから女性医師を人質にとったのでした。

そうした映画的に引き込まれる展開もありながら、現実と非常に近しい部分も、そうでない部分もある、とても興味深い作品になっています。

「コンテイジョン」は、コロナによって変わってしまった世界において、「現実の双子」と言ってもいいくらいの作品かも知れません。


この記事を書いた人
せみやま せみやま
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