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映画「ザ・フライ2 二世誕生」

今回は、子供の頃に一度だけ観て、けっこう強烈に印象に残っている映画「ザ・フライ2 二世誕生」について書いてみます。

※ネタバレしています。ご注意ください。

ザ・フライ2 二世誕生

この映画の前作「ザ・フライ」は、転送装置を研究していた男が、いざ実験!という事で自ら装置に乗り込むんですが、実は一匹のハエが紛れ込んでいて、合体してハエ人間になってしまう…
という、あらすじだけなら多くの方が聞いたことがあるであろう、例の映画です。

僕も一作目はあらすじだけしか知らず、作品自体は見ていないんですが、テレビで「ザ・フライ2 二世誕生」を放送すると知り「例の映画に続編があったのか!どんな内容なんだろう??」と、気になって観てみたのでした。

タイトルに書いてあるように、前作のハエ男と恋人の女性との間に産まれた「二世」が、今作の主人公です。

彼は自分がハエ男の息子とは知らず、実の父のように慕う研究所長バートックに支援されながら、父と同じく物質転送装置の研究に取り組みます。


研究所の職員のベスとも恋仲になり、順風満帆に見えた主人公ですが、バートックが実は彼の事を実験台としか考えていなかった事に激怒。
ハエ男の遺伝子により巨大昆虫に変身し、自分を裏切った研究所の職員を次々に殺していきます。

ひどい内容ですが、愛されていると感じていたところからの裏切り、という意味で、主人公の感情の動きに共感できるような描写にはなっています。

そして最もひどい裏切りを自分に対して行ったバートックに対しては、ただ殺すのではなく、転送装置を使って自分の体のハエ男の遺伝情報を抽出し、逆にそれをバートックに注入。

自分は人間に戻ると共に、自分を実験台としてしか見ていなかったバートック自身が、みじめなハエ人間になる…という最大級の報復を行うのでした。

自分の父とは違い、人間に戻れた主人公は、恋人と添い遂げる事ができるようになった訳ですね。


何も知らない青年が実はハエ男の息子で、周囲はそれを知りながら、愛しているように見せかけつつ単に実験台として利用している。
という状況がとても恐ろしく、主人公への共感を強く促されました。

ハエの遺伝子により徐々に正気を失い、薄暗い部屋の中でサナギを経て怪物化していく主人公を恋人が見守る…というシーンも、妖しげで良かったです。

そしてハエ男に変身 → 自分を利用していた人々への復讐 → 転送装置を使って自分は人間に戻り、最も憎むべき人物を逆にハエ男に変える

という、この作品ならではの着地点に説得力があり、かなり前に観たにも関わらず、強く記憶に残っています。

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この記事を書いた人
せみやま せみやま
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