大槻ケンヂ「いつか春の日のどっかの町へ」を読んで
大槻ケンヂ作「いつか春の日のどっかの町へ」というエッセイ的私小説を読みました。
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この本、以前出た「FOK46 突如40代でギター弾き語りを始めたらばの記」を改題、加筆修正したものです。
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原著はタイトルの語呂や表紙の雰囲気から、「もしドラ」風を狙っていたのだと思います。
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文庫化の際には書名も表紙のビジュアルも一新されました。
以下、ネタバレしていますのでご注意ください。
2006年2月6日に40代になったオーケン。
小学校時代からのつきあいの友人を亡くし「なぜ彼が死に、俺が生き残ったのだろう」と自問自答します。
そんな中、ぶらりと立ち寄った楽器店で、楽器がぜんぜん弾けないにも関わらずギターを購入。
「FOK46(フォーク・オーケン46歳)」という一人プロジェクトを立ち上げ、弾き語りライブを決行するに至ります。
40代を「節目」と感じる人は多く、自分も差し掛かっているので、その感覚はあります。
特にその時期のオーケンは友人の死にも接し、その節目に、自分は新しい事をやれると証明したかったのかなと思います。
どの程度意識的にか、無意識的にかは分からないですが。
無我夢中でギターに向かい、本番で失敗しながらも継続する事をやめないオーケン。
かっこ悪くてもやめない、その姿勢がめちゃくちゃかっこいいなと思います。
下手くそでもやりたい事やったらいいんだっていう、すごく前向きな気持ちになれますね。
2012年に亡くなったオーケンのお兄さんの事についても、この本で触れられていました。
オーケンが率いるバンド「特撮」のアルバム「ウインカー」に「富津へ」という曲がありますが、これはお兄さんが亡くなった海がある場所なのだそうです。
アルバムで聴いた時はその意味を知らず「なんだか寂しい曲だな」と思ったのを憶えています。