将棋の駒 手作り体験教室(富士駒の会 ミュージアム都留)
山梨県都留市にある博物館「ミュージアム都留」で、2020年2月1日~3月15日の期間、将棋の駒の展示会が開催中です。
近代駒師の祖と言われる豊島龍山の作品から、59歳から駒作りを始めた遅咲きの作家で、竜王戦で駒が採用された事で話題となった遠藤寉峯(かくほう)さんの作品まで、幅広く見る事が出来ます。
2月15日には、遠藤寉峯さんが所属する駒師の団体であり、富士宮を中心に活動している富士駒の会による、駒作りの体験教室が開催されました。
最近の将棋ブームもあり、大勢の方で賑わったこの体験教室。
富士駒の会には将棋仲間が関わっている事もあり、自分で好きな文字を彫るのも楽しそうだったので、体験してきました。
将棋の駒彫り テコの原理で彫る
どんな風に進めていくのか、全くイメージが無かった将棋の駒。削る駒には、削りたい文字の紙が貼ってあります。
これを目安に、彫っていきます。
利き手に彫刻刀、もう片方の手に駒を固定する台を持ちます。
駒側の手の親指を支点に、彫刻刀をテコの原理で動かして、文字の外周のラインを切っていくようなイメージで進めます。
文字のフチに切れ目を入れて削っていき、文字の黒い部分をどんどん除去していきます。
黒い部分がなくなったら、後の工程で墨(体験教室では墨でしたが、プロは漆を使います)を入れる時のために、彫った部分の溝に残った削りカスを除去して、綺麗に整えていきます。
初作品にしてはいい出来でしょう? これは才能…?
…ネタバレすると、富士駒の会の方に頼んで、丁寧に仕上げをしていただいたのでした。
墨を入れて、紙やすりをかけて、完成
駒の削りが終わったら、文字を彫った面に墨を塗ります。墨を乾かしてから、紙やすりをかけて紙を擦り落として、根付にして完成です。
富士駒の会の方に手伝ってもらったので100%自作の駒ではありませんが、自分の手で文字を彫り、駒を作っていく過程がとても面白かったです!
自分で手を動かして作ってみた後で、展示品の名駒を改めて見てみると、どうやったらこんなに美しく彫れるの?という感じで、本当にすごいなと思いました。
見る将、指す将と将棋にはいろんな楽しみ方がありますが、芸術品として駒を鑑賞したり、彫ってみるのもまたいいですね。