美術館で恐竜を展示! 特別展「恐竜図鑑ー失われた世界の想像/創造」
7月22日まで東京・上野の森美術館で開催されている特別展「恐竜図鑑ー失われた世界の想像/創造」を見てきました。
美術館で「恐竜」というと、ミスマッチな感じがするかもしれません。
この展示は、時代ごとに大きく変化してきた恐竜の復元モデルと、それをベースに制作されてきた恐竜の復元画をテーマにしたものです。
過去の恐竜の復元モデルの中には、昔のゴジラのように直立二足歩行で立つティラノサウルスや、今では手の爪とされている突起が鼻から生えた角として表現されたイグアノドンなど、最新の古生物学的には正しくないとされるものが多く含まれています。
最新の恐竜図鑑では見る事ができない、そうした過去の復元画にアートとして光を当てたのが、今回の展示になります。
現代的な恐竜の復元画を見慣れてしまった立場からすると、過去の恐竜の復元画はとても奇妙に映りますが、なんとも言えない味わいがあって、とても楽しめる展示になっていました。
目次
特別展「恐竜図鑑ー失われた世界の想像/創造」
入口近く、導入エリアのティラノサウルス。巨大な図鑑風に仕立てられた過去の恐竜アート。手が込んでいますね!
「グェ~ッ!」というような情けない声が聞こえてきそうな、人っぽい恐竜。
取っ組み合う左の二頭も、右の3頭も、すごく人っぽいですね。
社交ダンスかな?
これは確実に中に人が入ってますね。
昔の恐竜図鑑で、こういうティラノサウルスをよく見た気がします。
かっこいい。
上のティラノは、チェコのパレオアート(古生物美術)の巨匠、ズデニェク・ブリアン氏によるものです。
ズデニェク氏と双璧をなす古生物美術の巨匠、チャールズ・R・ナイト氏による作品。
動物画の名手だったナイト氏は、恐竜絵画でもその手腕を遺憾なく発揮しました。
初期の恐竜絵画に、こんなに躍動感のある作品があったんですね。
時代ごとに大きく変化したイグアノドンの復元
恐竜の復元についてのエピソードで、よく引用されるイグアノドン。
時代ごとに大きく変化してきた復元モデルを、恐竜絵画や映像、フィギュアなどで確認することができました。
初期の復元に基づいて作られたイグアノドン。
ずんぐりした、四足歩行の生き物として表現されています。
直立二足歩行になると共に、鼻にあった角が消え、親指のスパイクに変更。
大きなバージョンアップを遂げました。
現在の復元では、尻尾でバランスを取った前傾姿勢に変更。
見るからに活動的な生き物。という雰囲気が伝わってきます。
奇妙な魚竜とアンモナイトの世界
今回の展示の中でも、一際インパクトのあるこの一枚。巨大な魚竜に、首長竜がガッツリ噛みつかれちゃってます…。
注目なのが、このアンモナイトらしき生物です。
現在の復元とは大きく異なり、翼らしきものを広げています。
端っこの方では、カメがイカをパクリ。
新鮮なイカの美味しさは、何にも代えられませんね。
魚竜にも狙われるイカ。
イカにとっては受難の時代です。(今もですが)
食うか、食われるか。
とりあえず、この世界にだけは行きたくない!
と思わせる、強烈な一枚でした。
ダンクルオステウス(ジニクチス)
古代魚ダンクルオステウス(別名ジニクチス)も、ヌルっとしたタッチで描かれていました。こちらもダンクルオステウスです。いかついですね。
日本製の恐竜置物
日本で制作された、レトロな恐竜置物も展示してありました。なんともユーモラスでかわいい雰囲気の置物が多く、すごく魅力的でした!
島津製作所の「前世紀動物模型:ステゴサウルス」。名前も見た目も最高です。
水槽用置物のトリケラトプス。
とても可愛いですね~!
同じシリーズのティラノサウルスです。
まとめ
出口手前の撮影ブースにいた、レトロ復元バージョンのイグアノドン。ずんぐりしてますね。
今回の展示では色んな魅力的なパレオアート(古生物美術)を通じて、ダイナミックに変化してきた古生物の復元の歴史を、立体的に見る事ができました。
シンプルに、一つ一つのアートがとても魅力的で、本当に楽しい展示でした。
辞書のように分厚い図録も購入したので、今後も読み返して、楽しんでいきたいと思います。