初代ウルトラマン第10話「謎の恐竜基地」(ジラース)
※ネタバレしています。
ネス湖から連れて来た怪獣ジラースが大暴れ
湖のほとりに住んでいる白髪のマッドサイエンティストが秘かにネス湖から持ち帰り、育てていた怪獣ジラースが大暴れします。ネス湖の怪獣=ネッシーですよね。
つまりこのジラース、設定上はネッシーという事なんですが、実は着ぐるみはゴジラを流用したものなんですね。
軽くリペイントして、後はエリマキをくっつけただけで、ほぼゴジラそのものです。
作中ではウルトラマンにエリマキをちぎられて、ほぼゴジラそのものの姿になってしまいます。(首の周りの、エリマキをちぎられた痕が痛々しかったですが)
これはもうどう見ても意図的にウルトラマンVSゴジラをやっちゃおうぜ!という事だったんだと思いますね。
スタッフの悪ノリ感がすごく伝わって来る回です。
この回と、11話「宇宙から来た暴れん坊」の監督・満田かずほ氏はコミカルな演出が持ち味で、ウルトラマンVSゴジラ…もといジラースの戦いも、実にコミカルです。
ジラースが空中に投げた岩を、口から吐いた炎で破壊して挑発すれば、ウルトラマンも同じく岩を投げてスペシウム光線で破壊してドヤり、マウントを取り合います。
ウルトラマンもいつになくノリノリで、胸を叩いてから手を前に出してクイックイッと動かして「どうした?来いよ!」とばかりにジラースを挑発。
ジラースがよろけて倒れれば、エコーがかかった声で「ハッハッハッハッハッ…」と嘲笑します。
ウルトラマンって笑うんだ!? これも驚きました!
ちぎったエリマキをマントの様にひるがえし、ジラースの突進をいなすウルトラマン。その姿はさしずめマタドール!
悪ノリからのイマジネーションの爆発が止まらない、そんな感じを受けます。
最後は、時代劇で2人の剣豪がお互い突進して交差し、一瞬の閃きの後、片方が倒れている…というよくある展開にインスパイアされたのか、一瞬の交差の際にウルトラマンがジラースに手刀を叩き込み、ジラースは口から血を流し、静かに倒れ込み…という決着。
何から何まで悪ノリという感じですが、やりきってくれた感じで、とても面白い回でした!
ジラースを育てていた博士は、自分が育てたジラースに踏みつぶされてしまい、かろうじて生きていましたが、ジラースが倒された直後に後を追う様に絶命。
博士は白髪のマッドサイエンティスト風の見た目だったんですが、実は白髪はカツラで、正体はネス湖で消息を絶った別の教授だったのだ!
というオチがあるんですが、引きこもって研究しているなら別に変装している必要も無かったんじゃ??
その変装のくだり必要かな?? という疑問はありました。