ツチイナゴ 越冬するバッタ
暖かくなってくると、我が家の庭では色んな昆虫を観察する事ができるんですが、色んな植物が生えているおかげか、見た事がない昆虫に遭遇する事もよくあります。
今回ご紹介するツチイナゴも、我が家の玄関で、観葉植物(ユーフォルビアの一種)に留まっているところを発見して、そのデカさに驚きました。
サイズ的にはトノサマバッタくらいの大きさで、5~6㎝くらいありましたね。
模様が違うのでトノサマバッタではないと思ったんですが、なんというバッタか分からず、調べるのに少し時間がかかりました。
ツチイナゴの生態 成虫の状態で越冬する!
調べてみるとこのツチイナゴ、成虫の状態で越冬する、珍しいバッタなのだそうです。日本の多くのバッタ類は卵の状態で越冬するんですが、ツチイナゴはライフサイクルがちょうど半年分逆転しており、10月頃に発生した成虫が、そのまま越冬します。
春になると活発に動きはじめ、6月頃まで成虫が見られます。
似たようなライフサイクルのバッタ類としては、以前にご紹介したクビキリギスがいます。
そう言えば、クビキリギスも11月中旬という、冬に差し掛かった時期に野外で撮影したのでした。
クビキリギスはクマなどの哺乳類のように代謝を落として冬眠する事で越冬するのですが、ツチイナゴの成虫は冬眠はせず、日当たりのいい暖かい場所に移動しながらやり過ごすそうです。
今年は冬が厳しく、地元では連日、氷点下の寒い日が続きました。
自宅の植物も寒さにやられてかなり枯れてしまったんですが、「日当たりのいい場所に移動してしのぐ」という、わりとガチで冬と向き合う方法で、よくあの寒さを乗り切ったなと感心してしまいました。
あまりにも気候が厳しく、凍結が続く場所では越冬できないようですが、この冬を乗り切れたという事は、かなりの範囲を生息域にできるという事でしょうね。