甘え猫と修羅の猫
自転車で1人で出かけたバク子は、パンを買って川のほとりで食べていたそうです。
そこで、2匹の猫に出会いました。
どちらも子猫で、おそらく親離れしたばかりの猫でしたが、その生き方は対照的なものでした。
甘え猫
1匹は、人に甘えて食べ物をもらって生きる術を身につけた猫で、食べ物を持っていそうな人を見るや、ゴロニャ~ンとお腹を見せて媚びを売って来ます。しかし自転車が来ると「サッ」と姿勢を正して道の端に寄り、危険が去った事を確認してから、
「ゴロニャ~ン。その美味しそうなパン、一かけらでいいので、もらえませんかニャ~?」
とばかりに、服従のポーズを再開。
そういう生き方が板についた感じで、お見事!という感じだったそうです。
修羅の猫
甘え猫から離れて川のほとりを少し進むと、さっきの甘え猫と毛色や体格がそっくりの猫がいました。しかし、その顔つきは対照的で、物凄い野生の目つき。
やなせたかし作「チリンの鈴」のウォーのような眼光を放っていたそうです。
画像引用:やなせたかし「チリンの鈴」
そして、口にはカモの雛をくわえていたそうです。
住宅地に接した川ですが、草むらや水鳥も多く、自分の力で生きる野良猫の狩場にもなっているのだと思います。
毛色や体格がほとんど変わらない、対照的な2匹の猫。
もしかしたら、きょうだいだったのかも知れません。
生き方が顔つきや目つきに与える影響が大きいという事なんでしょうか。
甘え猫の方は体の模様が対照的で整っていたのに対して、修羅の生き方を選んだ猫の方は、少しまだらになっていたそうです。
見た目のほんの少しの違いで、可愛がられたり、そうでなかったりして、それが生き方に影響を与えた…
そんな可能性もあるかもしれません。