タンポポ3種を比べてみた(ニホン、セイヨウ、シロバナ)
ある日のお昼時、妻のバク子と一緒に荒川を散歩していました。
荒川は山梨県に流れる一級河川で、下流で富士川に名前を変えて駿河湾に注がれていく、広大な富士川水系の一角を成しています。
川沿いの道には、タンポポが沢山咲いていました。
そしてよく見ると、3種類のタンポポが共存している事に気づきました。
それぞれのタンポポの見分け方と特徴を改めて知る事ができたので、ご紹介したいと思います。
目次
ニホンタンポポの特徴
ニホンタンポポは日本の在来タンポポの総称で、カントウタンポポやカンサイタンポポなど、それぞれの地域にちなんだ複数の種が含まれます。今回、荒川で見たニホンタンポポは、おそらく地域的に、カントウタンポポではないかと考えています。
ニホンタンポポは近年、外来種であるセイヨウタンポポに押され、生息域は減少傾向にあります。
ニホンタンポポの特徴:花の色が淡い
ニホンタンポポは、セイヨウタンポポよりも花の色味が優しく、淡いという特徴があります。
ニホンタンポポの特徴:総包片(そうほうへん)がそり返らない
ニホンタンポポの特徴として、花の下の部分「総苞(そうほう)」が、そり返らないという事が挙げられます。上は、ニホンタンポポと、セイヨウタンポポの総苞の比較画像です。
※セイヨウタンポポは、まだ咲いていない状態です。
セイヨウタンポポの総包片がそり返っているのに対して、ニホンタンポポの総包片は真っすぐ、総苞の本体にくっついています。
この総苞を見る事で、ニホンタンポポとセイヨウタンポポをかんたんに見分ける事ができます。
ニホンタンポポの特徴:葉っぱの形
ニホンタンポポの特徴として、葉っぱの切れ込みが柔らかい。という事が挙げられます。
上の比較画像を見てもらうと、ニホンタンポポの葉っぱのフチに入る切れ込みが、あまり深くないというか、優しいのに対して、セイヨウタンポポの切れ込みは鋭い。
という特徴があります。
セイヨウタンポポの特徴
セイヨウタンポポはヨーロッパ原産のタンポポの総称で、単独の種ではなく、複数の種を含みます。
日本では1904年にアメリカから北海道の札幌に導入され、全国に広がりました。
日本生態学会が定めた「日本の侵略的外来種ワースト100」に選ばれており、日本の在来タンポポの生息域を圧迫しています。
特に都市部ではセイヨウタンポポがニホンタンポポを圧倒しており、これはセイヨウタンポポの生育のスピードが速く、開発された土地では、セイヨウタンポポが優位になりやすいためだと言われています。
セイヨウタンポポの特徴:花の色が濃い
ニホンタンポポと比較して、セイヨウタンポポは花の色が濃いという特徴があります。
セイヨウタンポポの特徴:総包片がそり返る
上のニホンタンポポとの比較でも書きましたが、花の下の総苞片がそり返るという特徴があります。セイヨウタンポポの特徴:葉っぱの切れ込みが鋭い
葉っぱの切れ込みが鋭いのが、セイヨウタンポポの特徴です。
シロバナタンポポの特徴
シロバナタンポポは日本の在来種で、関東・北陸地方以西に自生しています。
僕は今回、初めて見たんですが、とても美しい花ですね。
花の色が白いので、他のタンポポとはかんたんに見分ける事ができます。
シロバナタンポポの特徴:総包片がわずかにそり返る
シロバナタンポポの総苞片は、セイヨウタンポポほどではないですが、わずかにそり返っているのが特徴です。
シロバナタンポポの特徴:葉っぱの切れ込みはニホンタンポポに近い
シロバナタンポポの葉っぱの切れ込みの形はニホンタンポポに近く、あまり鋭くないのが特徴です。
タンポポ3種を比べてみた まとめ
ニホンタンポポはセイヨウタンポポに生息域を圧迫されて、ほとんど見る事ができないのかな…
というイメージを持っていたんですが、荒川沿いでは、意外にもニホンタンポポの方が優勢でした。
上の写真は、ニホンタンポポの群落を撮ったものです。
日本の在来種も、意外とたくましく生き延びているんだと思うと、嬉しくなりました!
そして、シロバナタンポポ。
こんなに美しい花とは知りませんでした。
少し川沿いを散歩しただけで、
色んな発見ができるものですね!
これからも身近な植物について、
どんどん掘り下げていこうと思っています。