ニコンF2に電池を入れてみたら、露出計が動いた!
父の使っていたフィルムカメラ「ニコンF2フォトミック」。
1971年発売されたこのカメラ。発売から50年近く経っていますが、フィルムさえ入れれば、未だに現役のカメラとして撮影する事ができます。
このカメラについて、ひとつ疑問がありました。
このカメラの電池室に新しい電池を入れたら、露出計は動くんだろうか?
というものです。
最近のデジカメやスマホ内蔵のカメラは、外光の明るさに応じてフルオートで露出補正(写真の明るさの補正)を行ってくれるので、撮る人が露出を意識する必要はほとんどありません。
昔のフィルムカメラで撮影をする際は、露出計を見ながら、人の手で明るさを調節する必要がありました。
「ニコンF2フォトミック」は、この露出計がカメラ本体に内蔵されているタイプで、電池を入れる事で露出計が外光を認識し、 「適正露出」「露出不足」などの目安を教えてくれます。
しかし、やはり古いカメラの事。ネットで調べてみたところ、内部の部品が壊れて動かない場合も多いようでした。
なので父のニコンFに電池を入れても、ちゃんと動作するかどうかは半信半疑でした。
LR44 ボタン電池を入れてみた
ニコンF2にはいくつかのバリエーションがあり、見た目がかなり似ているので、父のF2が正確にどの機種なのか、この時点ではよく分かっていませんでした。(その後、ニコンF2フォトミックと判明しました)
機種によって使える電池が違うらしく、ボタン電池の「SR44」か「LR44」のどちらかだという事は分かったんですが、絞り込みきれていませんでした。
そこで思い出したのが、トイカメラの「LOMO LC-A」。
これに使われている電池が「LR44」だった事を思い出し、試しに抜いてニコンFの電池室に入れてみました。
ファインダーを覗いてみたところ・・・。
特に変化無し。
レンズの絞りリングを回して露出を変えてみても、反応無し。
やっぱり駄目か、さすがに・・・。
と思いかけたんですが、そもそもF2の露出計を使った事が無いので、使い方が間違っている可能性もあるなと思い直しました。
もう少し粘ってみようと、ネットで検索したところ、ニコンFの露出計の使い方が書かれた、当時の販促カタログの画像をアップされている方のサイトを発見!
販促カタログを読んでみると、カメラ本体に電池のチェック機能がある、という記載を発見。
電池チェックや露出計を使う場合、フィルムの巻き上げレバーを引き出して、赤い点が見える状態にする必要があったのでした。
これは全く知らなかった・・・。
フィルムを巻き上げる以外に、そんな使い方があったとは。
「ニコンカメラの小(古)ネタ」の管理人様、ありがとうございます。
そしてファインダーの前面についたシルバーのボタンを押すと、電池の電圧が正常であれば、針が所定の位置まで移動するとのこと。
このボタン、そのためにあったのか・・・!
果たして、ニコンF2の電池チェック機能は正常に動作するんでしょうか?
ボタンを押さない状態では、針は右端にあります。
ポチっとすると・・・針が動いた!
電圧を測るための機構は、カメラ内部で正常に動作しているようです。
肝心の露出計はどうでしょうか?
電池を入れていない時、針(黒い縦線)は右端で固定されています。
露出計の電源をオンにしている状態で確認してみると・・・
針が動いてる!
ファインダーの中の露出計も、動くようになりました!
こいつ、動くぞ!
©創通・サンライズ 機動戦士ガンダム
周囲の外光や絞りリング、シャッター速度の数値を認識する事で、
「ちょっとオーバー気味じゃない?もっと絞ろうよ」
「今度はアンダーすぎるかな」
「オッケオッケ! いい感じだよ!そのままシャッター押して!」
・・・そんなメッセージを、針のニュッニュッという動きで示してくれるようになりました!
50年近く前のカメラが、未だに何の問題も無く、電池を入れたら動くとは・・・。
感動しました!!
「ニコンF2フォトミック」に入れるなら、SR44がベスト
今回「LR44」電池でも露出計を動かす事は出来ましたが、「ニコンF2フォトミック」に入れて使う場合、「SR44」の方がおすすめです。「LR44」を入れても露出計を動かす事は出来るんですが、「LR44」は電力の減少と共に電圧が低下していきます。
そうなると露出計も徐々にアンダーになっていき、適正な露出を示せなくなってしまいます。
「SR44」は「LR44」より値段は少し高いんですが、電圧が一定しているので、安定して使う事が出来るという訳です。