サイ5種類の生息数
重戦車のような巨体でアフリカのサバンナ、アジアの森林を駆ける野生動物、サイ。
その圧倒的な存在感、古代生物の生き残りのような外見はとても魅力的ですね。
残念な事に現存する5種類の内、全ての種類が絶滅を心配されています。
特に100頭を切っているジャワサイ、スマトラサイは、極めて限定的な生息地にわずかに生き残っているという事もあり、天災や感染症などで、一気に絶滅してしまう危険性を指摘されています。
アフリカのサイも、南アフリカだけで年間1,000頭前後が密猟されており、けして楽観視できるような状況ではないのですが。
※Save the Rhino International調べ
シロサイには亜種のキタシロサイとミナミシロサイがおり、現在生き残っているのは、飼育されているキタシロサイのメス2頭を除いて、全てミナミシロサイです。
そのミナミシロサイも、20世紀の初頭には、わずか20頭ほどしか生き残っていませんでした。
100年以上に渡る保護活動が実り、現在は2万頭近くまで回復しています。
種の存続は絶望視されていますが、わずかな望みをかけて、研究者による挑戦が続けられています。
スーダンの冷凍保存された精子と、メスの卵子で受精卵を作り、近縁種のミナミシロサイを代理母にして、新しいキタシロサイの個体を生み出す、というプロジェクトが、現在進行中です。
2018年7月には、研究チームが冷凍されていたスーダンの精子と残されたメスの卵子から受精卵を作る事に成功しました。
受精卵がうまく代理母の体内で育ち、新たな個体を誕生させる事が出来れば、キタシロサイの絶滅を回避出来る可能性があります。
クロサイの生息数は1900年代には数十万頭、60年代の後半には約70,000頭でしたが、1995年にはわずか2410頭と、約20年間で激減しました。
主な原因は角を狙った密猟と考えられています。
現在は保護活動が実り、5千頭以上にまで回復しています。
7~8の亜種に分類されており、2006年に行われた亜種ニシクロサイの生息調査では研究チームが半年に渡り探索を行いましたが、ニシクロサイを発見する事は出来ず、5年後の2011年、IUCNによって正式に絶滅が宣言されました。
1900年代の初頭、スポーツハンティングによりインドサイの生息数は約200頭まで減少していましたが、インドとネパールの両国にまたがる保護活動により、現在は約3500頭まで回復しました。
全生息数の70%がカジランガ国立公園に集中しており、伝染病の蔓延などによる個体数激減のリスクが心配されています。
かつて東南アジア全域に生息し、あまりに数が多いため農業害獣と見なされていたジャワサイも、現在は激減し、約60頭がジャワ島のウジュンクロン国立公園に生息しています。
生息数は増加に転じていますが、やはり分布が局地的な事による伝染病、災害による激減のリスクが心配されています。
しかし、2004年の調査では2頭のみ、しかも両方メスと判明。
2010年には最後のメスが射殺され、アジア大陸のジャワサイは絶滅しました。
東南アジアのスマトラ島、ボルネオ島を中心に生息する、サイの中で最も体の小さい種です。
氷河期にマンモスと同じ地域で暮らしていた絶滅種「ケブカサイ」の近縁種で、個体によっては体毛がかなり多く、独特の外見をしています。
ボルネオ島のマレーシア領では捕獲された個体による繁殖が試みられていましたが、2019年の5月に最後のオス「タム」が死亡し、メスの「イマン」が残されました。
マレーシア領内のスマトラサイは全て絶滅したとされており、残っているのはボルネオ島のインドネシア領とスマトラ島、飼育下の個体を残すのみとなりました。
生息数は多く見積もって80頭以下、より悲観的な推定では30頭以下ではないかと言われており、生息地が分断されているため、人間の保護活動無しには、自然での頭数回復は難しいと言われています。
メスは長期間交尾をしないと子宮に腫瘍が出来やすくなり、生息地が分断されている限りこの傾向に歯止めがかからず、絶滅を食い止めるためには出来る限り早く生き残っているスマトラサイを集め、繁殖させる必要があります。
引用:アジア大陸でジャワサイが絶滅(ナショナルジオグラフィック)
Rhino populations|Save the Rhino International
その圧倒的な存在感、古代生物の生き残りのような外見はとても魅力的ですね。
残念な事に現存する5種類の内、全ての種類が絶滅を心配されています。
特に100頭を切っているジャワサイ、スマトラサイは、極めて限定的な生息地にわずかに生き残っているという事もあり、天災や感染症などで、一気に絶滅してしまう危険性を指摘されています。
目次
現存5種の野生生息数
最も個体数の多いシロサイが2万頭前後、ジャワサイ・スマトラサイは100頭以下と、アジアのサイの個体数がかなり少ない事が分かります。アフリカのサイも、南アフリカだけで年間1,000頭前後が密猟されており、けして楽観視できるような状況ではないのですが。
シロサイ | 17,212〜18,915頭 |
---|---|
クロサイ | 5,366〜5,627頭 |
インドサイ | 3,588頭 |
ジャワサイ | 65~68頭 |
スマトラサイ | 80頭以下 |
シロサイの生息数
シロサイには亜種のキタシロサイとミナミシロサイがおり、現在生き残っているのは、飼育されているキタシロサイのメス2頭を除いて、全てミナミシロサイです。
そのミナミシロサイも、20世紀の初頭には、わずか20頭ほどしか生き残っていませんでした。
100年以上に渡る保護活動が実り、現在は2万頭近くまで回復しています。
キタシロサイの生息数について
2018年3月にキタシロサイの最後のオス「スーダン」が死亡し、ケニアの保護施設で飼育されている2頭のメス「ナジン」と「ファトゥ」を残すのみとなりました。種の存続は絶望視されていますが、わずかな望みをかけて、研究者による挑戦が続けられています。
スーダンの冷凍保存された精子と、メスの卵子で受精卵を作り、近縁種のミナミシロサイを代理母にして、新しいキタシロサイの個体を生み出す、というプロジェクトが、現在進行中です。
2018年7月には、研究チームが冷凍されていたスーダンの精子と残されたメスの卵子から受精卵を作る事に成功しました。
受精卵がうまく代理母の体内で育ち、新たな個体を誕生させる事が出来れば、キタシロサイの絶滅を回避出来る可能性があります。
クロサイの生息数
クロサイの生息数は1900年代には数十万頭、60年代の後半には約70,000頭でしたが、1995年にはわずか2410頭と、約20年間で激減しました。
主な原因は角を狙った密猟と考えられています。
現在は保護活動が実り、5千頭以上にまで回復しています。
7~8の亜種に分類されており、2006年に行われた亜種ニシクロサイの生息調査では研究チームが半年に渡り探索を行いましたが、ニシクロサイを発見する事は出来ず、5年後の2011年、IUCNによって正式に絶滅が宣言されました。
インドサイの生息数
1900年代の初頭、スポーツハンティングによりインドサイの生息数は約200頭まで減少していましたが、インドとネパールの両国にまたがる保護活動により、現在は約3500頭まで回復しました。
全生息数の70%がカジランガ国立公園に集中しており、伝染病の蔓延などによる個体数激減のリスクが心配されています。
ジャワサイの生息数
かつて東南アジア全域に生息し、あまりに数が多いため農業害獣と見なされていたジャワサイも、現在は激減し、約60頭がジャワ島のウジュンクロン国立公園に生息しています。
生息数は増加に転じていますが、やはり分布が局地的な事による伝染病、災害による激減のリスクが心配されています。
アジア大陸のジャワサイ
20世紀の後半にはアジア大陸のジャワサイは絶滅したと考えられていましたが、1988年にベトナムのカッティエン地域で15頭以下の個体群が発見され、アジア大陸での生息数の復活に期待が持たれていました。しかし、2004年の調査では2頭のみ、しかも両方メスと判明。
2010年には最後のメスが射殺され、アジア大陸のジャワサイは絶滅しました。
スマトラサイの生息数
東南アジアのスマトラ島、ボルネオ島を中心に生息する、サイの中で最も体の小さい種です。
氷河期にマンモスと同じ地域で暮らしていた絶滅種「ケブカサイ」の近縁種で、個体によっては体毛がかなり多く、独特の外見をしています。
ボルネオ島のマレーシア領では捕獲された個体による繁殖が試みられていましたが、2019年の5月に最後のオス「タム」が死亡し、メスの「イマン」が残されました。
マレーシア領内のスマトラサイは全て絶滅したとされており、残っているのはボルネオ島のインドネシア領とスマトラ島、飼育下の個体を残すのみとなりました。
生息数は多く見積もって80頭以下、より悲観的な推定では30頭以下ではないかと言われており、生息地が分断されているため、人間の保護活動無しには、自然での頭数回復は難しいと言われています。
メスは長期間交尾をしないと子宮に腫瘍が出来やすくなり、生息地が分断されている限りこの傾向に歯止めがかからず、絶滅を食い止めるためには出来る限り早く生き残っているスマトラサイを集め、繁殖させる必要があります。
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引用:アジア大陸でジャワサイが絶滅(ナショナルジオグラフィック)
Rhino populations|Save the Rhino International