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殺伐ランチ

しばらく前の事ですが、とあるチェーン店のメニューが気になり、十数年ぶりに最寄りの店舗に行ってみました。

お店に入ると、注文用の大きなタッチパネルが置いてあり、その前で立ち往生している男性がいました。
以前はボタン式の販売機で食券を買うタイプのお店でしたが、しばらく来ない内に、システムが変わっていたんですね。

お年は70歳前後くらいに見えましたが、注文するための操作方法が分からず、困っているようでした。

「どうしましたか?」と声をかけ、注文を手伝ったのですが、この手の注文パネルにしては操作が複雑で、僕も若干苦戦しながらも、その方と自分の注文を完了する事が出来ました。

店員さんも、手伝ってあげればいいのに…と思いながら席についたんですが、そうする事が出来なかった理由はすぐに分かりました。

お昼時、通常の店舗の注文をさばくのはもちろん、ウーバーイーツ、出前館などの注文サービス、さらにドライブスルーの注文も受けていて、スタッフの方全員、余裕の無い表情で調理やパッキングを行っていました。


なんだか工場みたいだな…と思いました。


もちろん工場が悪いと言いたいのではなく、現代人であれば誰でも、工場で作られた製品の恩恵を受けていますし、本当にありがたい事だと思っています。

ただ、色んなシステムを導入する過程でこのお店は、徐々に、ゆっくりと食事をとる場所ではなくなっていったんだろうな…と思ったんですね。

このチェーンを訪れるのがすごく久しぶりだったので、昔、通っていた時との変化の大きさを、一気に浴びせられたように感じました。


そして大きなタッチパネルの前で、困っていた男性。
色んな新しいシステムが次々と登場して、それに対応するよう迫られる。
そんなご時世ですが、この男性のように、システムの変化についていけなくて困っている人が沢山います。

その果てに…何があるんでしょうか?
この記事を書いた人
せみやま せみやま
生き物が大好きなWebエンジニアです。
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