ハマシギとミユビシギの混同
荒川沿いを歩いていると、岸辺で休息をとっているコガモとシギの混群に遭遇。
コガモはこちらの気配を察知したようで、すぐに逃げてしまいましたが、シギは「カモさん、どうしたのかな?」と言う感じで、のんびりしていました。
これはチャンスと、デジカメを出して撮影にチャレンジする事に。
カメラは高倍率のズームが出来ないXZ-10しか持っていなかったので、シギに気づかれないよう、視界の外から一歩、また一歩と接近。
シギが予想以上にこっちに気づかず、なんと約3mの距離まで近づいて撮影する事が出来ました。
ミユビシギと似ている鳥が多すぎる。トウネン、ヒメハマシギ、ハマシギ
このシギ、去年の冬も同じ場所でコガモと混群を作っており、見た目が一致する「ミユビシギ」だろうと結論づけていました。しかし今回、至近距離から撮影した写真のシギをよくよく見てみると、ミユビシギの特徴である「足の指が三本」という特徴に当てはまっていない個体が多く、「これはミユビシギじゃないのでは?」という疑惑が浮上して来ました。
以前撮った写真は足の指が鮮明に写っている写真が無かったため、ミユビシギに見た目が似ているのと、足指が三本に見える写真もあったので、ミユビシギだという結論になったんですが、今回はハッキリと四本の指が確認できました。
前に向かって伸びる三本の指と、かかとの一本。
一般的な鳥の足指の構成で、三本ではありませんでした。
じゃあ何シギなんだ、という事で、ネットで検索を開始したんですが、なかなかこれだ!というシギが見つからず、捜査は難航しました。
そしてさんざん調べた結果、有力な情報が掲載されたブログを発見!
トウネン! これかも知れない!
いや、これだ!
トウネンと似ている鳥は「ヒメウズラシギ」と「ヒメハマシギ」がいますが、ヒメウズラシギは、荒川のシギとは見た目の細かい部分に差異があるように感じました。
もう一種の候補であるヒメハマシギは「足に水かきがある」という、荒川のシギとの決定的な違いがあるため、候補から外れました。
なので、荒川のシギはトウネンに決定!
あぁ、スッキリした。
ちなみに「トウネン」という変わった名前ですが「今年生まれた赤子のごとくからだが小さい」、小型のシギである事から来ているそうです。
・・・しかし、これで終わりと思いきや、そうは問屋が卸しませんでした。
ネットで見つけたトウネンの写真と、荒川のシギの写真を比べていると、どうにも納得いかない部分がある事に気づいてしまったのです。
「クチバシ、長くない?」
トウネンの嘴が、シギの中ではかなり短い方なのに対して、荒川のシギの嘴は、どう見ても明らかに長かったのです。
トウネン(写真ACより引用)
荒川のシギ。嘴が長い。
固体差じゃないかと、トウネンの画像を調べまくったんですが、どのトウネンの嘴も短いのです。
「トウネンじゃない・・・」
再び振り出しに戻ってしまいましたが、
「あきらめたらそこで試合終了!」
と自分を奮い立たせて、さらにネットで色んなワードで検索したところ、下のツイートを発見。
Hybrid shorebirds
— SHOREBIRDS IN JAPAN 日本のシギ、チドリ (@nobushorebird) October 12, 2018
presumed Long-toed Stint ✖️Dunlin
雑種シギ
推定ヒバリシギとハマシギの雑種。
今回もこの個体を探しに行ったのだが見つからなかった。
あの数の中から見つけだし撮影できただけでも非常にラッキーといえばラッキーなのだが。 pic.twitter.com/W1K4SFueLC
隣で一緒に探してくれていた妻のバク子が
「その写真の鳥、似てるね」と一言。
確かに似ている・・・。
ツイートによると写真の鳥は「ヒバリシギとハマシギの雑種」との事。
どんどん新しいシギ出てくる!
鳥の中でもシギ・チドリ類は非常に識別が難しい事で悪名高いのです。
とりあえず「ヒバリシギ」と「ハマシギ」の画像を検索したところ・・・
「ハマシギだ・・・!」
「全体的な見た目」「足」「嘴の長さ」「顔の模様」の全てが一致!
今回こそ自信を持って言わせていただきます。
「ハマシギでした!!」
めちゃくちゃスッキリしました。
あきらめずに検索しまくったのと、その勢いでこの記事を書いたおかげで、指が少し疲れました・・・。
荒川のミユビシギ改めハマシギが登場する記事はこちらです↓
散歩の帰り道、夕焼けが綺麗でした。
【今回確認出来た鳥】
ハマシギ
イソシギ
ハシボソガラス
スズメ
カルガモ
コガモ
ヒドリガモ
オオバン
ハクセキレイ
カイツブリ
ダイサギ